講座・教員紹介

山口大学医学部医学科の教育研究講座をご紹介します。

分子細胞生理学(旧 生理学第一)

Molecular and Cellular Physiology

令和3年9月1日作成

顔写真:

教授名
宮本 達雄
講座のメンバー
岸 博子,張 影,森田 知佳
医学科担当科目
医学入門1,医学英語,基礎解剖生理学序説,循環・呼吸器系,消化器系,泌尿・生殖器系,機能系実習,細胞生理化学演習,基盤系特別専門講義,自己開発コース,修学論文テュートリアル,Open Science Club,SCEA/AMRA
居室
基礎研究棟3階
TEL
0836-22-2209
FAX
0836-22-2348

講座の紹介

 私たちヒトは、数十兆個の「細胞」で作られています。しかし、人体は単純な細胞の「塊」ではなく、神経、循環、呼吸、消化、内分泌など様々なネットワークが張り巡らされることで、調和の取れたシステム(「系」)として存在しています。つまり、細胞「塊」ではなく細胞「系」であることが「生理」状態であり、「系」から「塊」への逸脱が「病態」であると言えます。人体が細胞「系」として存在するには、外界の様々な情報を細胞が正確に感知して、適切に振る舞う必要があります。
 
 当講座では、血球系以外のほぼ全てのヒト細胞の表面に発達する「一次繊毛」と呼ばれる小さな突起構造に注目して、細胞「系」ができあがる基本原理の探索を進めています。一次繊毛は、細胞骨格の一つ、微小管からできています。繊毛を覆う細胞膜には、市販薬の標的分子の約30%とも呼ばれるGタンパク質共役型(GPCR)受容体や様々なイオンチャネルが集積しており、一次繊毛は、外界の情報を感知する細胞の「アンテナ(感覚器官)」として機能します。生まれつき繊毛に異常がある場合には、多発性嚢胞腎、網膜変性、左右逆位など特徴的な奇形症候群が現れます。このような繊毛病は、約200種類存在すると推定されていますが、未だに60%の疾患で発症メカニズムが分かっていません。当講座では、未解明の繊毛病の研究を推進することで、新たな細胞情報伝達ロジックを解明して、画期的な治療法の開発を目指しています。研究手法の特徴としては「ゲノムを操作し、観て考える」こと、つまり、ゲノム編集技術を用いて繊毛病モデル細胞・動物を作り、形態学・生理学・生化学・分子生物学など多面的なアプローチを駆使して、繊毛の「生理」と「病理」を観察しています。

 当講座では、山口県の穏やかな環境で、仲間とともに、じっくりと本質的な医学・生物学を展開することで、一人でも多くの研究マインドをもつ医療人・自立した研究者を輩出することを目標に教育・研究活動に取り組んでいます。サイエンスはいつも思い・仮説通りにとは行きませんが、悩みながら局面を乗り越え、新たな世界(観)を作っていく喜びがあります。よかったら、いっしょにサイエンスを楽しんでみませんか?


 

質量分析計(岸准教授)

蛍光顕微鏡(張講師)

分子間相互作用解析計 (森田助教)

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