講座・教員紹介

山口大学医学部医学科の教育研究講座をご紹介します。

分子細胞生理学(旧 生理学第一)

Molecular and Cellular Physiology

平成29年5月1日作成

顔写真:小林 誠 教授

教授名
小林 誠(こばやし せい)
講座のメンバー
小林 誠,岸 博子,張 影,森田 知佳
医学科担当科目
医学入門1,医学英語,基礎解剖生理学序説,循環・呼吸器系,消化器系,泌尿・生殖器系,機能系実習,細胞生理化学演習,基盤系特別専門講義,自己開発コース,修学論文テュートリアル,Open Science Club,SCEA/AMRA
居室
基礎研究棟3階
TEL
0836-22-2209
FAX
0836-22-2348

講座の紹介

わが国において,脳卒中や心筋梗塞など重要臓器の血行障害による疾病が死因の上位を占め,これらを合計すると,悪性新生物と並んで死因の第2位となります。そのため,これらの血管病の原因や病態を解明し,予防法や治療法を開発することが,まさに,社会医学上の最重要課題であるといえます。これらの血管病の本態は,血管系細胞の機能を制御する細胞内情報伝達機構の破綻によって,細胞の機能障害が発生することにあります。したがって,本分野では,これらの血管病の原因となる細胞内情報伝達機構とその機能分子を同定する研究を行っています。これまで,生体細胞・組織標本で細胞内情報伝達を検索する独自の分子細胞生理学的研究手法を開発することによって,新しい情報伝達機構を見出してきた実績を持っています。最近では,組織,細胞,分子・遺伝子レベルで解析するための分子細胞生物学的手法に加え,蛋白質工学や細胞工学,および2種類の最新型質量分析計を主軸とした機能プロテオミクス(写真左),1分子可視化と高速イメージングを可能にした蛍光顕微鏡(写真中央),細胞のイメージに加え,サイズ,形状,個数,差,比率などの多種類の数値データを同時取得できるリアルタイムアナリシス機能を搭載した全自動・細胞画像解析装置などを取り入れた新しい実験システムを構築することによって,血管の異常収縮を引き起こす新規の病的因子を次々に同定し,また,血管の異常収縮を特異的に抑制する脂質メディエーターを同定し,これらの作用の分子機構を解明しようとしています。更に,我々は,細胞内情報伝達における細胞膜ドメインの重要性に注目しており,生体細胞電子顕微鏡を駆使した細胞膜ドメインのイメージングや,表面プラズモン共鳴法によるドメイン内新規シグナル分子間の相互作用解析(写真右)を進めています。

また,血管異常収縮の病的シグナル経路を特異的に阻害する薬物の探索を精力的に行っており,最近,血圧維持を担う血管の正常収縮には影響を与えず,血管異常収縮のみを特異的に抑制できる注射薬を発見し,臨床治験に向けて研究を進めているところです。さらに,このような血管異常収縮の特効薬としての作用を有する食品成分を探索し,いくつかの候補成分の同定に成功しました。病気になった"後"でないと服用できない医薬品と異なり,食品であれば,病気になる"前"に摂取できるため、血管異常収縮の特効薬成分を含む食品により,血管病の真の予防が可能となることを期待しています。

 

質量分析計(岸准教授)

蛍光顕微鏡(張助教)

分子間作用解析計 (森田助教)

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